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高次脳機能障害のご相談

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後遺障害の立証

 

後遺障害のページでも説明しましたが、高次脳機能障害の後遺障害等級認定には欠かせない3つの要素があります。

 

1 頭部外傷後の意識障害、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が存在すること

 

2 頭部外傷を示す傷病名が診断されていること

 

3 2の傷病名が、画像で確認できること

 

まずは、この3要素を満たしているかどうかを確認します。

 

3要素のうち、何か1つが欠けていた場合、立証することができないわけではありませんが、なかなか難しくなります。

 

特に、自賠責保険は意識障害の有無を非常に樹脂している傾向にあるので、意識障害がない場合はかなり難しくなります。

 

立証のために準備する書類

高次脳機能障害の後遺障害等級認定のために提出する書類には、高次脳機能障害特有の書類が必要になります。

 

保険会社の担当者でも、高次脳機能障害について詳しく知っている人は少ないので、必ず確認してください。

 

書類が不十分な場合、自賠責保険から追加の提出依頼がありますが、場合によっては、書類が不足しているままに審査が行われ

実際の被害者の状況が正しく伝わらない可能性もありますので、過不足なく準備することが大切です。

 

 

1 頭部外傷による意識障害の所見

医師が作成します。

 

頭部外傷による意識障害の所見という診断書により、1つ目の要素、意識障害の有無やその程度を確認することができます。

 

作成のタイミングについては、意識回復後、なるべく早めに作成されることをお勧めします。

 

高次脳機能障害の場合、治療やリハビリの期間が長期にわたることも珍しくありません。

 

1年以上継続することはもちろん、被害者の年齢によっては、数年に渡ることもあります。

 

その場合、作成する医師の当時の記憶は曖昧、もしくは医師が変更になってしまっているケースもありますので

記憶が鮮明なうちに作成します。詳細についてはこちらのページで解説しています。

 

 

 

2 後遺障害診断書

医師が作成します。

 

後遺障害診断書には、診断名が記入されますので、2つ目の要素、頭部外傷を示す診断名があるかどうかを確認することができます。

 

また、後遺障害診断書には、3つ目の要素である画像診断の結果も記載されます。

 

作成のタイミングは、下記 の神経心理学検査などすべての検査が終わってからです。

 

 

 

3 CTやMRIの画像

自賠責保険への申請時には、基本的に、受傷から症状固定までに撮影したすべての画像を提出します。

 

最近は、病院がCD‐Rにコピーしてくれることがほとんどですので、病院へ依頼します。

 

後遺障害診断書と併せて確認することで、3つ目の要素である、画像上の異常所見の有無を確認することができます。

 

 

 

4 日常生活状況報告書

被害者の家族や同居人、交通事故に遭う前の被害者の生活をよく知る人が作成します。

 

日常生活状況報告書をもとに、交通事故で受傷する前の被害者の日常活動の様子と、交通事故で受傷した後の様子を比較し

被害者の変化や日常生活上の具体的な支障を確認します。

 

実際に提出用として作成するタイミングは、症状固定と同時期ですが、まずは被害者の状況を把握するために活用します。

 

実際に提出する際の報告書作成のポイントはこちらを確認してください。

 

 

神経心理学検査でどのような検査を受けるかを選択するために、現状を把握するために確認しておきます。

 

ここで注意すべきことは、日常生活の支障を『その時点だけの傷病の1つとして捉えないこと』です。

 

例えば、交通事故に遭う前と比較して、落ち込んでいるように見えた場合、

「事故にあったから仕方がない」とか「病院への通院で疲れているのだろう」と考えて、大したことではないと思うかたがいます。

 

また、被害者の感情が表に出やすくなっている場合、「事故によるストレスだろう」と考えられることも多いのですが、

高次脳機能障害の症状の可能性が十分にあります。

 

日常生活状況報告書と併せて、以下の項目を細かく確認するようにし、見落とさないように気を付けてください。

 

 

 ① 記憶の障害

覚えられない、忘れてしまう、言葉が出ない、道順がわからない という様子が見られます。

 

☑ 昨晩の夕食の献立を覚えていますか? 事故以来、物忘れなどがひどくなっていませんか?

 

☑ 家族全員の名前、主治医の先生の名前、自宅のペットの名前が言えますか?

 

☑ 自宅の近隣でも迷子になったことがありませんか?

 

☑ 食べ物の実物を見ても、その物の名前や味が思い出せないことはありませんか?

 

 

② 注意障害

集中できない、物をなくす、不注意な過ちをする、落ち着かない という様子が見られます。

 

☑ 事故以来、ぼんやりしている時間が多くなってはいませんか?

 

☑ 仕事を始めてもすぐ、ボーッとしてしまい、集中力がもたないことはありませんか?

 

☑ 掃除をすると、ずっと同じところを拭いていることはありませんか?

 

 

③ 方向性注意の障害(半側空間無視)

左側にあるものを見落とす、左側のものにぶつかる、左手を使わない という様子が見られます。

 

☑ 歩いていると、左側の肩や手を、壁や物にぶつけてしまうことはありませんか?

 

☑ テーブルに並んだいくつかのおかずの右半分、または自分のお皿の右半分だけを食べて、左半分を残すようなことはありませんか?

 

☑ 右手を出してと言われて左手を出すなど、よく左右を間違えませんか?

 

 

④ 遂行機能の障害

物事を順序だてて行えない、見通しを立てられない、時間配分ができない という様子が見られます。

 

☑ 買い物の段取りが悪く、売り場を行ったり来たりして、時間がかかってはいませんか?

 

☑ コピーを取ってFAXをする、その間に電話をするなど、同時並行で複数の作業ができなくなってはいませんか?

 

 

⑤ 社会的行動障害(感情コントロールの低下・対人技能拙劣・固執性)

すぐに怒る、泣く、ふざけすぎる、自分の意見ばかりを言い張る、相手の気持ちを読めない、しつこい などという様子が見られます。

 

☑ 些細なことですぐに怒ることはありませんか?ペットなどを蹴ったり暴力的なことはありませんか?

 

☑ 幼児に返ったように行動し、発言が子供っぽくなった様子はありませんか?

 

☑ 他人が話をしていても遮って話し出したりしませんか?

 

☑ 好きなお菓子ばかりを食べ続け、他の食べ物には見向きもしないことはありませんか?

 

 

⑥ 意欲の障害(発動性の低下)

やる気が出ない、他人に興味がない、アイデアが浮かばない、疲れやすい、無頓着 などという様子が見られます。

 

☑ 毎週のようにゴルフをしていたのに、家にあるゴルフクラブに見向きもしなくなった?

 

☑ 猫好きで何匹も飼っていたのに、世話をしなくなった?

 

☑ いつも疲れていて家でゴロゴロ、居眠りが多い。突然、寝落ちする?

 

 

 

5 神経心理学的検査の検査結果

日常生活状況報告書を参考に、被害者の日常生活上の支障を医師や理学療法士(PT)へ細かく伝えます。

 

神経心理学検査は細かく分かれています。最近では以下の28項目の検査が実施されています。

 

一般的な病院では、まず全体的な支障を知る検査を実施し、その結果をもとに、その中でも特に低下している機能などを絞って複数回検査をします。

 

特に被害者側が丁寧に検査のお願いをしなければ、基本的に実施される検査は以下の3つです。

 

1 ミニメンタルステート検査

 

2 長谷川式簡易痴呆スケール

 

3 ウェクスラー成人知能検査 (WAIS-R)

 

ただし、この検査の対応も病院によって様々で、高次脳機能障害について専門的な病院もありますが、

1度の検査しか行わない病院もあり、場合によっては障害が見落とされてしまうこともあるので注意が必要です。

 

だからこそ、細かい症状を伝え、可能であれば検査内容を指定して主治医に丁寧にいらいする必要があります。

 

なお、検査内容や実際の質問内容については、被害者が検査を受ける前に内容を確認してしまうことで、

正確な数値を得られない可能性がありますのであえて掲載や説明はしていません。

 

被害者本人ではなく、家族のかたがお知りになりたい場合は直接ご連絡ください。

 

1  ミニメンタルステート検査

2  長谷川式簡易痴呆スケール

3  ウェクスラー成人知能検査 (WAIS)

4  コース立方体組み合わせテスト

5  ウィスコンシン・カード・ソーティングテスト

6  Tinker Toy Test

7  ベントン視覚記銘検査

8  レイ複雑図形再生課題

9  BADS

10 WAB失語症検査

11 標準失語症検査(SLTA)

12 老研版失語症鑑別診断検査

13 レーブン色彩マトリックス検査

14 リパーミード行動記憶検査

15 三宅式記銘力検査

16 街並失認、道順失認、地誌的記憶障害検査

17 抹消検査、模写検査

18 行動性無視検査

19 日本版ウェクスラー記憶検査

20 トレイル・メイキング・テスト

21 パサート(PASAT)

22 注意機能スクリーニング検査(D‐CAT)

23 標準注意検査法・標準意欲評価法(CAT・CAS)

24 標準高次視知覚検査

25 100‐7等の数唱

26 ミネソタ多面人格目録

27 不安測定検査

28 ロールシャッハテスト

 

 

 

6 神経系統の障害に関する医学的意見

神経心理学検査の結果が取得できたら、その結果と日常生活状況報告書をもとに、

 

後遺障害診断書、そして神経系統の障害に関する医学的意見を医師が作成します。

 

医師としっかりと面談をしながら、被害者の現在の支障を不足なく記入してもらうことが大切です。

 

医師の質問にも答えられるようにするためにも、あらかじめ日常生活状況報告書を活用し、

被害者の日常生活や運動機能の支障などを、事前に把握して整理しておくことが非常に重要です。

日常生活状況報告書の作成ポイント

日常生活状況報告書は非常に重要な書類です。

 

先にも説明しましたが、日常生活状況報告書をもとに、交通事故で受傷する前の被害者の日常活動の様子と、交通事故で受傷した後の様子を比較し

被害者の変化や日常生活上の具体的な支障を確認します。

 

被害者の家族や同居人、交通事故に遭う前の被害者の生活をよく知る人が作成します。

 

日常生活状況報告書の箇条書きの質問にそれぞれ〇をつけるだけでは不十分です。

 

具体的な事例を取り上げて「日常生活状況報告書”別紙”」として提出することをお勧めします。

 

報告する内容としては、以下の4つの項目に沿って書くと効果的です。ポイントは実際に起こったエピソードを具体的に書くことです。

 

 

1 意思疎通能力

家庭や職場においての他人とのコミュニケーションが適切に行えるかどうかを検討します。

 

記憶力、認知力、言語力、記銘力などの低下がないかが判断のポイントとなります。

 

〇〇の名前を思い出すことができない、丁寧な文字が書けない、言葉を発する時に詰まってしまう などが一例です。

 

 

2 問題解決能力

他人からの指示や要求を理解し、状況を適切に判断し、業務が遂行できるかを検討します。

 

理解力、判断力、集中力などの低下がないかが判断のポイントとなります。

 

パソコン操作が遅くなった、料理の段取りが悪く非常に時間がかかる などが一例です。

 

 

3 持続力・持久力

仕事の時間に対応できるだけの持続力や持久力が判断のポイントとなります。

 

仕事は就業労務だけに限らず、家事や炊事などの作業も当てはまります。

 

1日中ソファに座っていて家事炊事をほとんどしなくなった、すぐに飽きてやめてしまう などが一例です。

 

 

4 社会行動能力

家庭や職場、地域において他人との円滑な共同作業や社会的行動ができるかを検討します。

 

協調性の有無や不適切な行動の頻度が判断のポイントとなります。

 

他人の話を遮って話し出す、公共施設などでも大声で話す、自分の意見を否定されると激怒する などが一例です。

 

 

その他のポイント

とにかく具体的に書くことが必要です。

 

被害者の職業はもちろん、実際に担当している業務の内容や交通事故に遭う前の日常生活状況など、

被害者とその周囲の様子が文章だけで分かるように書かなければなりません。

 

趣味などについてはその程度、例えばゴルフが趣味だった場合は、

「事故以前からゴルフが趣味で、毎週〇回は練習をし、月に〇回はラウンドしていたのに、事故以降はゴルフクラブにすら触らなくなってしまった」など

箇条書きでも構いませんが、エピソードとして1つずつ書き出しすことが大切です。

高次脳機能障害の後遺障害認定サポート

さち総合法律事務所では、これまで説明してきた全てのポイントをサポートします。

 

被害者やその家族から話をお伺いし、適切な心理学的検査のプログラムを構築し、医師へ依頼します。

 

また、日常生活状況報告書についても、お伺いした内容をもとに報告書案を作成いたします。

 

被害者やその家族の状況を尊重し、丁寧な状況把握に努めるとともに、確実に後遺障害等級が認定されるよう万全の準備を行います。

 

難しそうだな、よくわからないな、ということがあればお気軽にご相談ください。

 

対応のポイントなどのアドバイスを無料相談でお受けしますので、ご遠慮なくお問い合わせください。

 

 

 

 

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