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肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)

肩関節の仕組みや症状・治療法

 

肩関節(肩甲上腕関節)は,上腕骨の凸状の「骨頭(こっとう)」と凹状の「関節窩(かんせつか)」で構成されています。

 

そして、「骨頭」と「関節窩」が緩やかな結合にとどまるため、肩甲骨の動きと合わさることで、

肩関節は、非常に大きな可動性を有しているといえます。

 

他方で、不安定な関節でもありますので、

一度、バイクや自転車を運転中の交通事故受傷(たとえば、肩甲部を下にして、路上に転倒するケース)によって脱臼してしまうと、

脱臼を繰り返してしまうこともあります。

 

具体的には、軽度の外力でも脱臼を繰り返してしまう「反復性肩関節脱臼」や

不安定性が問題となる「投球障害肩(いわゆるルーズショルダー)」を発症してしまうこともあります。

 

 

なお、水平方向の安定性は、「肩鎖靱帯」によって制御され、

上下方向の安定性は、「烏口鎖骨靱帯」によって制御されています。

 

肩鎖関節①

 

 

さて、肩鎖関節の脱臼といっても、その程度は様々で、

「肩鎖関節脱臼」の傷病名があったとしても、直ちに後遺障害等級認定の対象になるわけではありません。

 

 

肩鎖関節脱臼の分類(Rockwood分類)

TypeⅠ

肩鎖靱帯の捻挫(軽度・部分損傷)。

三角巾固定等による保存的療法を2~3週間行い、後遺障害を残すことなく改善することがほとんどです。

TypeⅡ

肩鎖靱帯が断裂し、烏口鎖骨靱帯が軽度・部分損傷。

XPでは、鎖骨遠位端が少し上にずれています(肩鎖関節の上方亜脱臼)。

TypeⅠと同様に、三角巾固定等による保存的療法を3~6週間行い、多くは後遺障害を残すことなく改善しています。

TypeⅢ

肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂し、鎖骨の脱臼を伴う。

XPでは、肩鎖関節が軽度(25~100%)上方転位しています。

TypeⅠ・Ⅱと同様に、三角巾固定等による保存的療法を行いますが、転位の状況によっては、手術療法(遠位端切除靱帯再建術など)が採用されることもあります。

後遺障害としては、疼痛や可動域制限、転位による突出も残る可能性があります。

TypeⅣ

肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂し、鎖骨遠位端部が、後方に転位し、僧帽筋内にあるか貫いている状態。

鎖骨遠位端部が僧帽筋を貫いている状態だと、手術しなければ整復できず、仮に手術をしたとしても、

疼痛や易労性(重だるさなど)、可動域制限などが残る可能性があります。

TypeⅤ

肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂し、肩鎖関節が重度(100~300%)上方転位し、三角筋と僧帽筋は、鎖骨遠位部から離断している状態。

TypeⅣと同様に、鎖骨遠位端部が僧帽筋を貫いている状態では、手術しなければ整復できず、仮に手術をしたとしても、疼痛や易労性(重だるさなど)、可動域制限などが残る可能性があります。

TypeⅥ

肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂し、鎖骨遠位部が、下方肩峰または烏口突起下に転位する極めて稀な症例。

 

 

以上のとおり、肩鎖関節脱臼にも様々な状態があり、

肩鎖靭帯・烏口鎖骨靭帯の損傷の程度や鎖骨のずれの程度等に応じて、後遺障害等級認定の可能性も異なるのです。

 

そのため、医師による「肩鎖関節脱臼」の診断あり=後遺障害等級認定ではないので、注意が必要です。

 

 

肩関節の後遺障害等級認定・後遺障害慰謝料の目安

 

等級

症状

自賠責基準

裁判基準

10級10号

 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

 (患側の可動域が健側の2分の1以下となったもの)

187万円

550万円

12級6号

 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 (患側の可動域が健側の4分の3以下となったもの)

93万円

290万円

12級5号

 鎖骨に著しい変形を残すもの

93万円

290万円

14級9号

 局部に神経症状を残すもの

32万円

110万円

併合9級

 肩関節の可動域10級10号+鎖骨の著しい変形12級5号

245万円

690万円

併合11級

 肩関節の可動域12級6号+鎖骨の著しい変形12級5号

135万円

420万円

 

 

後遺障害等級認定獲得のためのポイント!

 

① 肩関節の可動域制限(10級10号または12級6号)

 

肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂(TypeⅢ以上)してくると、

肩関節の可動域に影響を与える(肩関節の可動域制限が残る)ことが予想され、肩関節の機能障害が後遺障害の対象となります。

 

そこで、後遺障害等級認定獲得のためのポイントとしては、

 

<1>脱臼部をレントゲン(X‐P)CTで撮影し、靱帯断裂については、MRIで撮影して、損傷の程度を立証できているか

 

<2>自覚症状を主治医に伝え、半年間を目安にしっかりリハビリできているか

 

<3>「他動値」で患側の関節可動域が健側の関節可動域の2分の1以下か(腕が肩の辺り(水平)までしか上がらない状態:10級10号)、

    または患側の関節可動域が健側の関節可動域の4分の3以下(腕が肩の位置よりは上がるが、垂直までは上がらない状態:12級6号)に

    なっているか

 

 

 

 

② 鎖骨の著しい変形(12級5号)

 

後遺障害等級認定獲得のためのポイントとしては、「裸体」で、鎖骨の著しい変形が確認できるかどうかです。

 

レントゲン(X‐P)撮影によって、初めて分かる程度のものは、自賠責保険における後遺障害には該当しないので要注意です(非該当)。

 

あくまでも外見上の「著しい」変形であり、「裸体」となっととき、変形が明らかになっていなければなりません。

 

後遺障害等級認定の立証方法としては、いわゆる「ピアノキーサイン」が陽性のときは、

外見上の変形を写真撮影し、後遺障害診断書に添付する必要があります。

 

ちなみに、「ピアノキーサイン」とは、鎖骨遠位部を下方へ押し、整復あるいは浮動感があるかどうかを判断する診断方法です。

 

 

 

 

③ 肩鎖関節部の疼痛(14級9号)

 

リハビリなどのおかげで、後遺障害等級12級クラスの可動域制限も残っていないし、鎖骨の著しい変形もない。

 

でも、肩鎖関節部の疼痛(安静時痛)が、ほとんど常時ある・・・

 

 

このような場合にも、14級9号が認定される可能性があります。

 

もちろん、症状や治療状況の一貫性が認められ、半年間を目安にしっかりリハビリなどの治療が行えていることが前提となります。

 

なお、鎖骨の変形による12級5号では、変形部の疼痛も周辺症状(派生障害)として評価されますので、

疼痛の神経症状で、別途12級13号の後遺障害等級が認定され、併合11級の後遺障害等級の認定がされることはありません。

 

いずれにせよ、肩鎖関節部の疼痛(安静時痛または運動時痛)があるのであれば、

後遺障害診断書の自覚症状欄にしっかり記載してもらうことが大切です。

 

 

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